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バリアフリーに想う [バリアフリー/ユニバーサルデザイン]

視覚障がい者が日常生活を送るために必要な生活用具の開発・デザインに関わっています。
昨年10月の『ものづくりデザイン&エンジニアリング相談会』に相談に訪れた、視覚障がい者を雇用している鍼灸院経営の方の熱意に触れ、デザイナーの枠を超えて製品化までのステップを一緒に歩んでいます。
日頃、健常者として生活していて「バリアフリーデザイン」「ユニバーサルデザイン」等、デザインの対象物のように捉えていましたが、現実に世の中の「バリア」を感じた瞬間に、コンビニのレジの脇の募金箱に募金をするのではなく、「デザイナー、製品開発の立場で何かできないか?」の気持ちに後押しされ動いています。

そのバリアとは、日頃私たちが何気なく使っているお金、その中でも一万円札などの紙幣での問題。視覚障がい者にとって、現在の紙幣は凹凸による識別マークでは金種(一万円、五千円、千円など)が判別しにくく、そのことが社会参加への障がいになるケースも起きています。
何らかの職業に就いた場合に、六千円の支払いに対しお客様が五千円札を「はい、一万円」と渡しておつりを要求した場合、念入りに調べても相手に対して失礼になるため、そのまま千円札を4枚渡す。そうすると五千円の損失を会社に及ぼしてしまい、雇用主との信頼をなくしてしまいかねません。その受け取った紙幣が千円札だった場合は、更に後味の悪い結果となります。
開発中の製品は紙幣の長さの違いに着目し、紙幣サイズにより簡易的に金種を判別する器具です。ATMや自動販売機のように、電子的に金種を判別する方が確実ですが、全ての視覚障がい者の方が入手できる価格にするために簡易的なしくみにしてコストを抑えています。日常生活の様々なシーンで使えるようお財布と共に持ち運び可能なサイズに折りたため、携帯性を高めています。
harix_monitor.jpg
現在は、来る2010年2月2日~4日に東京国際フォーラムで開催される『ベンチャーフェアjapan2010』に出展準備中で、試作品を実際に目の見えない方々にモニーターテストしている段階です。(写真)

生活を豊かにするために欲しいもの、美しいものをデザインするのもプロダクトデザインの役割ですが、「美しい」と目で見て感じ取れない人々のために、生活に彩りをあたえるまでにないにしても、「生活ができる」ための手助けを、デザインの立場で行えたらと感じています。

『ベンチャーフェアjapan2010』
http://vfj.smrj.go.jp/

出展ブース:有限会社ハリックス(K-10)
http://vfj.smrj.go.jp/exhibitor/detail/177



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