200年前のプルシアンブルーに想う [アート・デザイン]
江戸中期の京都の画家、伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716〜1800年)の作品で、宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する「動植綵絵(どうしょくさいえ)」全30幅の一つ「群魚図」の一部に、ドイツで1704年に発見された青色の人工顔料「プルシアンブルー」が使われたとみられることが、同館と東京文化財研究所の共同調査でわかった。
この記事を読んで想像を廻らせました。
群魚図は沢山の魚が描かれている絵ですが、
その左下隅に濃青色で小さく描かれている「ルリハタ」
という魚からプルシアンブルーの成分である鉄を検出
したという点に興味を持ちました。
他の魚の青色には“一般的な”「群青」や藍が使われていたことからも、よほど、若冲がこの魚の色に興味を持って再現したかったのかがうかがえます。
当時おそらく貴重であった人口顔料の持ち味を演出として効果的に使った結果が、その位置(左下隅)のその魚(ルリハタの色)という事なのだと思います。黄金比付近の目立つところに大きな赤い鯛(たい)を配置して構図をひきしめ、人の目の留め位置として左下隅には一見地味で小さいながらも、最新かつ貴重な顔料でその魚を描いたとしたら、ひじょうに計算しつくされた構図なのだと思います。
実は、某カタログ通販掲載の商品を企画・デザインしていた時に、「見開きページの売れ筋を左下に配置する」ということを聞いた事があります。
画家の若冲はこの顔料に魅せられて、きっと、今で言う“売れ筋”のように、少量ながら最も効果的な見せ方を熟考したのだと思います。
http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=mai&aid=20091005-570-OYT1T00015
『若冲の一幅、「プルシアンブルー」で彩色か』
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